2023 年 2023 巻 33 号 p. 21-36
監査業務におけるテクノロジーの活用により,監査の効率性と有効性の向上が期待されている。
大手監査法人を中心にテクノロジーに対する投資額は近年拡大し,実際,監査実務において,さまざまな目的でテクノロジーが活用されていることは,監査法人等からの開示情報等からも明らかである。しかし,監査業界全体におけるテクノロジー活用の実態は,ほとんど知られていない。
本研究は,残高確認手続におけるテクノロジー活用の実態を探索的に調査し,その阻害要因と促進要因を検討する。本研究の発見事項は,テクノロジーの活用が進展している監査実務の現状に関する理解を促進し,制度設計等に活かされることが期待される。