2023 年 2023 巻 33 号 p. 125-135
内部監査が組織体の目標達成に役立っているのかを客観的に評価し,改善を提言することが外部評価の目的であり,内部監査部門がガバナンス上の課題などを,取締役会や最高経営者に提言すること,および取締役会が内部監査部門の報告や活動が組織体の目標と一致しているかどうかを監視すること,に対する評価が外部評価として重要である。
そこで,本稿は,内部監査の品質評価における外部評価の範囲が狭すぎるのではないか,外部評価の範囲をどう考えるべきかという問題意識をもち,外部評価の範囲を明確にすることを研究目的とした。
結論として,現状の「IIAフレームワーク」での外部評価の評価範囲に,内部監査部門からの取締役会への報告とそれに対する取締役会の監視のプロセスに関する評価,および内部監査部門から取締役会や最高経営者への提言のプロセスに関する評価も加え,外部評価は,これらを含む「内部監査プロセス」の評価とすべきである。