抄録
日本公認会計士協会では,KAMにおける監査人の主要な見解等(「主要な見解等」)の記載に関して,海外事例の調査研究が行われ,701研究文書第3号が公表されている。
4か国(英国,オランダ,シンガポール,米国)を対象とした定量分析から,一般に公正妥当と認められる監査の基準において,主要な見解等の記載が条件付であっても要求される場合(英国・オランダ)には,主要な見解等が記載されることが多い傾向や,findingsの見出しを付した記載は少なく,特定国に集中している傾向が見られた。
また,主要な見解等の海外事例の記載内容に関する定性分析から,例えば,一般的で汎用的な記載が多く見られること,又,個別意見を表明しているとの誤解を生じさせる可能性がある記載が見られ,個別意見の表明を懸念させる表現に関して具体的なガイドラインを示す等,事実に即した監査手続の実施結果を記載する上で対応すべき重要な課題や論点があることが示されている。