抄録
「攻めのガバナンス」改革が十分な成果を上げていない日本企業の現状は,経営者のリスクテイクを促す仕組みの未整備に起因する。本稿は,経済学的観点から,リスクテイクを促進するための経営者報酬制度設計と監査の機能発揮について検討する。アメリカ企業における先行事例と実証研究を参照し,日本企業における課題を整理した上で,経営者報酬制度を内部統制に組み込み,監査対象とする制度的対応を提案する。さらに,報酬委員会の実質的機能化の必要性と,監査人に求められる知見・スキルの習得の重要性を指摘することで,「攻めのガバナンス」改革加速の具体的方策を提示する。