日本風工学会年次研究発表会・梗概集
平成18年度日本風工学会年次研究発表会
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風の道と都市気候形成
*成田 健一
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p. 109-114

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抄録

ヒートアイランド緩和施策として注目されている「風の道」について、これまでの研究成果をふまえながら基本的な考え方についてまとめた。ドイツでは、夜間の斜面冷気流を大気汚染対策として市街地に導入する施策として都市計画に活かされているが、わが国では暑熱緩和を目的に日中の海風利用が注目されており、導入の目的も利用しようとする自然現象のスケールにも違いがある。海風は斜面冷気流に比べはるかに厚さがあるため、連続的なオープンスペースの確保や流れを遮断しない向きに建物配置を誘導するというドイツ的な発想に固執せず、上空風の積極的な取り込みなど市街地の換気効率を面的に向上させるという観点からの利用が重要であることを指摘した。

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© 2006 日本風工学会
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