主催: 日本風工学会
近年,建築物の高層化に従い,建物間の相互作用を考慮した動的応答の評価は耐風設計上で重要となると予想される.単独の構造物では断面形状により周辺流れや物体に作用する空力特性が大きく変化し,動的応答の評価に関する研究は数多く行われており,その特性も解明されつつある.一方,並列の構造物の相互作用について調べた例は少なく,並列に配置される場合には隙間の間隔により流れのパターンと構造物の空力特性も大きく変化すると指摘されているが,並列構造物間の相互作用による動的応答の特性はまだ不明である.そこで,本研究では数値流体解析を用い,隙間の間隔L=4Dの並列2正方形角柱の相互作用の評価を試み,静止ではこれらの角柱周辺の圧力分布の差が殆どなく,対称な空力特性が得られ,角柱間の相互作用が少ないことを確認できた.一方,自励振動では相互作用が顕著になり,角柱の応答が増加される傾向があることは分かった.