抄録
日本は四方を海に囲まれているため,海岸部においては飛来海塩粒子が構造物に及ぼす影響は非常に大きいと考えられ,部位毎の付着量を推定出来れば効率的な建設や維持管理が可能になると思われる.従来はmdd(=mg/dm2/day)値を用いて飛来塩分環境の評価が行われてきたが,より現実的に部位毎の評価を行うためには対象周囲の風況を考慮し,大気中塩分濃度に基づく付着量予測を行う必要がある.本研究ではこれらを踏まえて海塩粒子の付着機構を提案し,構造物部位毎の付着塩分量の評価を行った.付着量の分布を精度よく再現できたが,全体的に実測値よりも大きな傾向にあり,改善の余地がある.