抄録
比較的短い期間だけに存在する仮設構造物の耐風設計において,仮設構造物の期間内の損傷確率を通常の構造物の損傷確率と同じにするというBoggs and Peterkaの考えに基づく風速の再現期間を設定する方法を示し,仮設構造物の供用期間に対応する基準設計風速を示した。供用期間50年,再現期間50年で許容応力度設計される恒久建築物の供用期間内の損傷確率と同じ確率で設計される仮設構造物の供用期間が1年未満の場合,安全率1.5で設計する際の再現期間は最低でも2年としなければならない。その場合,仮設構造物の風被害がやや目立つことを考慮し,安全率を2として再現期間を設定することを提案した。