風環境及び屋外温熱環境評価を実施する場合,評価対象敷地の近くの気象観測所のデータを用いることが多い。しかし,対象敷地と観測所との距離が離れていたり,敷地周辺の地形や建物の影響によって,妥当に評価されない可能性がある。この問題を解決するために,工業団地内にある小規模の緑地内で夏季の期間の実測を行い,実測点と付近のAMeDAS観測所2か所のデータを比較し,傾向を分析した。その結果、夏季晴天日の風向は3地点ともに北と南の出現頻度が高く,夜は北風,日中は南風になるパターンが多かった。実測点と北に位置する八王子との気温差は風向パターンによって大幅に変わったが、南に位置する海老名との気温差はいずれのパターンでもほぼ同様であった。