p. 129-130
本論文では、これまで筆者らが開発してきたCFDに基づく屋根雪分布予測手法を2段屋根建物モデル上で形成される積雪分布に適用し、その精度を検証したものである。従来より筆者らが実施してきた雪面形状の変化が流れ場に影響を及ぼさないSingle解析と降雪イベントをいくつかのPhaseに分け、形状変化が流れ場に及ぼす影響を考慮するPhase解析の結果を観測結果と比較した結果、Single解析は屋根端部の積雪深の侵食などの基本的な形状は再現したもの、積雪深がやや過小であるほか、観測には見られないピークが発生するなど細部において違いが見られた。Phase解析の結果は、Single解析に比べて全体的に積雪深が増加し、観測に近づいた他、観測結果に見られる細部における積雪深分布の傾向も再現する傾向にあった。