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本研究では橋梁と橋梁上を走行する車両の空力安定性に対して,遮風壁の断面形状と開口率の影響を解明することを目的として,ばね支持実験及び車空力実験を行った.遮風壁モデルは,断面形状は直線型と曲線型の2種類,開口率は0%,20%,50%の3種類に分けて比較検討した.対象とした橋梁断面は,辺長比9の扁平箱桁である.ばね支持実験から,開口率0%の遮風壁の設置により渦励振やねじれフラッターなどの自励振動が発生したが,開口率を上昇させることにより,空力振動を抑制されることを示した.車空力実験では,車の抗力係数の値は開口率0%と20%でほぼ0となったが,開口率50%でも,遮風壁がない場合の半分程度の値となった.