p. 117-
鋼製煙突を対象とした大気境界層流れは,しばしば極超臨界レイノルズ数領域に達することがある.この領域の流れを風洞実験で再現することは風洞性能の制約から非現実的である.実験を数値計算で代替する数値風洞が実現できれば,大幅なコスト削減や実験では困難な条件での検討が実現可能となる.そのための初期段階として,ここでは3本集合煙突を模擬した粗度付きおよびプレート付き3本集合円柱周りの数値計算を実施した.得られた結果から3本集合円柱の抗力係数を算出し,実験結果1)と比較することで,実験の代替として十分な精度で抗力係数が一致することを確認した.本稿ではこれらの結果を述べる.