抄録
カムチャツカにおいて1998年から2000年の3年間,繁殖終了後で秋の時期である8月中旬から9月中旬において日本鳥類標識協会による日露共同鳥類標識調査を行った.この調査によって,47種,5,744個体の鳥類を捕獲し,47種,3,840個体について体の大きさや体重の測定を行った.これらの捕獲および測定値の情報を調査者間で共有し利用することが多数の調査者が参加する共同調査では重要であり,データベースの作成はその手法として有用である.その目的で本報告では本調査において作成したデータベースの構造を説明し,その有用性と明らかになった課題を述べ,今後,同様のデータベースを利用する際の改善点について提案した.また,これらのデータベースに入力した各鳥種の測定値の概要を示した.