2016 年 28 巻 1 号 p. 1-8
北海道帯広市にある帯広畜産大学付属農場内の孤立林2か所で,1979~1984年の繁殖期にアオジの生息状況と標識後の生残率について調べた.雄の生息数は林Aで9~14羽,林Bで8~10羽で,生息密度はそれぞれ3.9~6.1羽/ha,5.0~6.3羽/haと高かった.一部の雄は2~6年にわたって同じ林に生息し,ほぼ同じ位置を占める例も見られた.アオジは林内に巣を造ったが,林外にも行動圏を広げていた.繁殖期に標識した個体の生残率は,1年後が35%,2年後が25%,3年後が15%,4年後が9%,5年後が11%であった.