抄録
北海道産のハシブトガラ33個体Poecile palustrisとコガラP. montanus 24個体を用い,両種の識別点の有効性を検証した.会合線付近の色の違いは幼羽期以外には北海道でも有効であった.秋期から冬期には,ハシブトガラの耳羽と側頸の境界が淡褐色である点も識別に有効だったが,喉の黒色部の広さは有効でなかった.繁殖期と幼羽期には,羽毛の色や長さを基準としたすべての識別点は,信頼性が低いか,無効であった.また,両種の上面の色彩を述べる際には,羽毛の磨滅と退色による色彩の変化を十分に考慮する必要がある.