2020 年 32 巻 1_2 号 p. 21-35
マミチャジナイTurdus obscurus 29個体,シロハラT. pallidus 39個体,アカハラT. chrysolaus 79個体,アカコッコT. celaenops 16個体の翼式の要素(初列風切最長羽,p9の位置,初列風切の間隙,外弁欠刻)を比較した.4種の各要素は有意に異なっており,渡る距離が長い種ほど翼の形状が尖っていた.初列風切の間隙の見た目はマミチャジナイ・アカコッコとシロハラ・アカハラに大別された.アカコッコは間隙を形成する羽毛が独特で外弁欠刻はより近位にあると推察されたこと,マミチャジナイの外弁欠刻はより遠位にあったこととあわせ,翼式は4種の識別に有効であった.