2021 年 33.34 巻 p. 8-25
2005-2007年に,韓国の多島海海上国立公園の紅島と黒山島で日韓共同鳥類標識調査が実施された.3年間で合計63種734羽が標識放鳥され,15種45羽が再捕獲された.優占種は多い順に,キマユホオジロ,メジロ,コホオアカ,シマノジコ,アオジであった.秋と春の比較では,種数・新放鳥数ともに春が多かった.63種のうち36種は秋または春のどちらかでしか記録されなかった.種によって春と秋で渡り経路や渡りの時期が異なる可能性が示唆された.調査期間中に得られた再捕獲記録は全て同地で放鳥されたものであったが,1970-2016年の間に当地と日本を結ぶ短期回収記録はクロツグミ,シマセンニュウ,コヨシキリ,ノゴマの4種7例が得られており,日本から朝鮮半島南部,紅島や黒山島を経て中国南部へ続く渡り経路が示唆されている.