行動経済学
Online ISSN : 2185-3568
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第1回行動経済学会学生論文コンテスト優秀賞受賞論文
ネットワーク上のcontribution gameを不平等回避モデルで考察した際のナッシュ均衡・absorbing setの導出
中上 晨介
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2019 年 12 巻 p. 115-158

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抄録

本稿では,不平等回避モデルを拡張し,ネットワーク上のcontribution gameにおけるプレイヤーの利得関数に不満と罪悪感のパラメータを用いて新たなモデルを構築し,ナッシュ均衡とabsorbing setを導出した.ネットワーク上でcontribution gameを行った研究では,プレイヤーは隣り合う2人のプレイヤーとつながりを持つサークルの形をした社会的ネットワーク上で公共財への拠出にContributionするかDefectするかの戦略の決定を行う.また,プレイヤーの利得関数はつながりを持つ周囲のプレイヤーの戦略に基づいて決まる.本稿では,不満と罪悪感のパラメータの範囲によっては,多くの人が貢献する状態もナッシュ均衡,absorbing setとして実現することを示した.結果の解釈としては,ある条件下で,人々が持つ罪悪感が不満よりも大きいとき,多くの人がネットワーク上のcontribution gameにおいて協力的行動をとるということである.

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© 2019 行動経済学会
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