行動経済学
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第15回大会プロシーディングス
消費者保護のためのナッジの活用による効果的な打消し表示の提案:クラウドソーシングを利用したランダム化比較試験による実験的検討
山本 輝太郎後藤 晶
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2021 年 14 巻 Special_issue 号 p. S13-S16

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抄録

本研究ではナッジの活用による効果的な打消し表示の考案とその効果検証を研究目的として実験を行った.先行研究の知見から,多くの消費者は広告の体験談に対する打消し表示を認識していないか,たとえ認識したとしても打消し表示によって体験談から受ける印象・評価が変容することがほとんどないことが明らかになっている.そこで本研究では,ナッジを活用した打消し表示のある模擬的広告を作成し,その表示の有無を条件としたランダム化比較試験を実施した.実験の結果,「あなたには効かない可能性があります」との打消し表示を行った場合,商品効果に対する主観的な評価が有意に抑制された(最大効果量−0.35,95%CI[−0.67, −0.03]).ナッジの活用によって,広告の体験談に対する効果的な打消し表示を提案できる可能性がある.

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