運輸部門によるCO2排出量は全体の約25%を占めていることから,脱炭素化に向けて電気自動車(EV)に注目が集まっている.本研究は,EV普及に効果的な情報の示し方(フレーミング)を探るため,ランダム化対照試験(RCT)に基づくアンケート調査を行った.調査は,就職先が決定した学生を対象に,RCTによりフレーミング開示無の対照群と開示有の処理群(3タイプ)に分けて実施した.なお,認知反射テストにより回答者の認知力を捉え,認知力の差によるフレーミング効果の差も計測した.ロジスティック回帰分析の結果,図による環境的フレーミングの効果が最も強いことが分かった.また,経済的もしくは数字による環境的フレーミングが開示された場合には,認知力の低い直感型消費者に対して,その効果が高くなることも示唆された.よって,新社会人のEV選択を誘導するには,図による環境的フレーミングを基本に数字を併用する情報開示方法が最も効果的である.