本稿では,金融リテラシー(主観的,客観的)と資産分散との関係を分析し,金融リテラシーが高い人ほど資産を分散しやすいことを示している.さらに,計画的行動理論を基に,金融リテラシーが資産分散に影響を与える経路について分析を行い,主観的金融リテラシーは資産分散に対する態度,主観的規範(周囲の人々の考えや行動)及び行動統制を通じて,客観的金融リテラシーは態度及び行動統制を通じて,資産分散の意図と行動に影響を与えること,意図と行動の乖離には行動統制が影響を与えていることを明らかにしている.
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