行動経済学
Online ISSN : 2185-3568
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第5回大会プロシーディングス
情報モニタリング法による多属性意思決定の分析─望ましい選択肢を選ぶ場合と望ましくない選択肢を選ぶ場合の意思決定過程の差異の検討
高階 勇人阪上 公一馬場 崇徳大久保 重孝井出野 尚竹村 和久
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2011 年 4 巻 p. 68-71

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抄録

複数の選択肢が存在し,それぞれの選択肢が複数の属性によって特徴付けられる意思決定問題を(多肢)多属性意思決定と呼ぶ.多属性意思決定の典型としては,PCや携帯電話について,性能表をもとに比較検討し,購入する製品を決めるといった状況が挙げられる.規範的な意思決定理論に基づけば,多属性意思決定において,最も望ましい選択肢を選ぶ場合と,最も望ましくない選択肢を選ぶ場合では,意思決定過程の特徴が変わらないことが予想される.しかし,実際の決定場面を顧みると,両者の意思決定過程は異なっているように考えられる.そこで本研究では,最も望ましい選択肢を選ぶ場合と,望ましくない選択肢を選ぶ場合とで,意思決定過程がどのように異なるかを検討するため,幾つかの商品について,多属性意思決定課題を実施した.また,意思決定過程を検討するため,情報モニタリング法と呼ばれる手法を用い,実験参加者の情報探索を定量的に測定し,情報探索過程の可視化についても行った.

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© 2011 行動経済学会
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