抄録
顧客動線データには各売り場への訪問回数,停止時間などが記録されている.加えて各売場でのチラシを打たれている商品の個数など,売り場のプロモーションの強度と考えられる情報も記録されている.広告に対する反応に限定した消費者行動モデルとしてはAIDMAモデルが有名であるが,本発表ではAttentionやInterestといった消費者の内的なプロセスの行動指標として顧客動線データを利用し,直接的に消費者の内的なプロセスを見ることで,より正確な広告効果の測定を目指す.具体的には,広告を打つことによるその商品が置いてある区画の滞在時間の変化や,消費者の属性(年齢,性別など)によって滞在時間に対するプロモーションの影響がどのように変わるかを見る.デモグラフィック情報を用いて消費者をセグメントに分け,各セグメントで滞在時間に対して広告が与える影響力の違いを探索する.