日本気管食道科学会会報
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特集1 シンポジウム1:気管食道科領域の重複癌
食道癌との重複癌例における治療上の問題点
大杉 治司高田 信康竹村 雅至木下 博明
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2002 年 53 巻 2 号 p. 90-94

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抄録
食道癌との重複癌例における治療上の問題点について検討した。
〈対象と方法〉1986年より1998年までの食道癌根治施行263例のうち,53例(20.2%)に他臓器重複癌を認めた。これら症例を対象に,臨床病理学的因子,治療法,予後について非重複癌例と比較検討した。
〈結果〉対象53例中23例が同時性,30例が異時性であった。癌重複臓器は胃21例,頭頸部16例,肝3例,結腸3例,肺3例,乳腺3例,腎2例,前立腺2例,子宮2例で,白血病を1例に認めた。重複癌例と非重複癌例の臨床病理学的因子に差はなかった。胃癌先行あるいは同時性の18例中,胃が使用不可の14例では有茎空腸再建を8例,有茎結腸再建を6例に行った。食道癌切除後再建胃に癌を認めた3例では,1例に内視鏡下粘膜切除,1例に再建胃切除・有茎空腸再建を行った。他の1例は,TS-1投与によりCRで健存中である。頭頸部癌重複16例では,7例に切除が,9例に放射線・化学療法が施行された。重複癌例の食道切除後5年生存率は44%で,非重複癌例の40%と差がなかった。多変量解析では食道癌リンパ節転移の有無が最も有意な予後因子であった。
〈結語〉食道癌根治切除例では約20%の高い頻度で重複癌を認めた。癌重複臓器は胃が最も頻度が高く,再建術式に工夫を要す。他臓器重複癌はそれのみでは予後不良因子ではなく,それぞれの癌に対する根治的治療が予後向上に最も重要である。
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