日本気管食道科学会会報
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症例報告
多発奇形を伴った喉頭裂の1症例
高木 秀朗堀口 利之阿美 貴久鈴木 衞
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キーワード: 喉頭, 奇形, 喘鳴
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2002 年 53 巻 3 号 p. 271-274

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抄録

喉頭裂は喉頭気管食道裂の一分症であり,極めて稀な先天奇形である。今回われわれは先天性食道閉鎖症,鎖肛,副耳を伴った喉頭裂を経験したので報告する。
本症例は生後間もなくより嗄声と軽度の誤嚥を認めており,精査目的のため満6カ月時に耳鼻咽喉科外来を受診した。喉頭内視鏡,下咽頭・食道透視の結果,喉頭裂II型(Benjamin-Inglis分類)との診断に至った。当初より呼吸器症状が比較的軽度であり,徐々に改善傾向にあったため,現在に至るまで手術は行わず経過観察中である。
本症例の経過は,喉頭裂に伴う呼吸器症状が成長とともに改善が見込めることを示唆している。

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