日本気管食道科学会会報
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症例報告
外傷性披裂軟骨脱臼の1例
塚原 清彰山口 宏也鈴木 伸弘新美 成二廣瀬 肇
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2002 年 53 巻 4 号 p. 348-352

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抄録
喉頭外傷のひとつに披裂軟骨脱臼症があるが,その頻度は少ない。今回われわれはスポーツ外傷により生じた披裂軟骨脱臼症を経験し,非観血的整復により良好な結果を得たので手術方法を含めて報告する。症例は18歳,男性。主訴は「大声がでない」および「嚥下時のむせ」であった。2001年4月14日,バスケットボールの試合中,肘により前頸部打撲。その後より主訴が出現した。初診時所見,頸部に明らかな異常所見は認めなかったが,聴覚印象的にG(2)B(2)の嗄声を認め,MPTは7秒であった。初診時右声帯は副正中位に固定していた。また,CTおよび3D-CTにおいて右披裂軟骨は内側に偏位していた。以上より右輪状披裂関節脱臼と診断し,2001年6月11日,全身麻酔下に直達鏡下喉頭微細手術を行った。顕微鏡下に両側披裂軟骨の可動性を触診にて確認したところ,左披裂部の可動性は良好であったが,右披裂部の可動性は悪かった。14Frのバルーンカテーテルに支柱となるキュルシュナー綱線を通したものを用いて,正常位へと整復した。術後翌日よりむせるなどの自覚的症状は改善し,聴覚印象的にも嗄声改善を認めた。MPTも19秒と改善した。また術後1カ月目に行った3D-CTにおいて右披裂軟骨は正常に整復されていた。
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