抄録
当科において1991年から2000年までの間に,頭頸部領域の化膿性炎症が縦隔へ波及して生じた降下性壊死性縦隔炎4症例を経験した。全例上縦隔より下方に炎症が進展しており,2例に前縦隔への進展,3例に後縦隔への進展を認めた。治療は適切な抗生物質の投与と適切なドレナージによる排膿であるが,外科的ドレナージとして全例に頸部切開排膿を行い,2例に縦隔操作を加えた。3例は適切なドレナージにて改善したが,1例は十分なドレナージができず死亡した。
降下性壊死性縦隔炎に対しては,全身状態が悪化する前に適切なドレナージが必要である。