抄録
頻回の経皮的エタノール注入療法(PEIT)にても制御不良のため,手術治療を施行した腎性上皮小体機能亢進症の1例を報告した。症例は52歳,女性。腎性上皮小体機能亢進症に対して近医で数度のPEITを施行されたが,コントロール不良のため精査加療目的にて当科を受診した。治療は上皮小体全摘術および前腕移植術を施行した。術中所見では,上皮小体は右上腺を除く3腺が周囲組織と高度に癒着しており,手術操作は困難であった。病理組織検査ではPEITを施行されていた2腺のうち,右下腺で腺内に結合組織の増生を認めたが,左下腺では変性所見は認めなかった。術後,反回神経麻痺などの合併症は認められず,経過良好にて退院となった。術後上皮小体機能は正常化し,1年6カ月が経過した現在再発は認めていない。