日本気管食道科学会会報
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特集:胃食道逆流症(GERD)と気管食道科領域疾患
GERD検査と薬物療法
草野 元康森 昌朋
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2003 年 54 巻 5 号 p. 334-340

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抄録
胃酸を中心とした胃内容物が食道内へ逆流することに起因する様々な疾患群を現在gastroesophageal reflux disease (GERD)と呼ぶ。内視鏡的に明らかな逆流性食道炎を診断するのはたやすいが,内視鏡陰性GERDや胸痛や咳そうなどの非定型的症状GERDを診断するには,巧みな問診から始まり詳細な内視鏡検査やpHモニタリング,食道内圧検査など包括的な診断が必要である。PPI testはproton pump inhibitor: PPIを投与し症状の推移を観察する治療的診断法であり,臨床上も有用である。
GERDの治療は速やかな初期治療および再発をきたさない維持療法によりQOLを保つことが目的である。薬物治療においてPPIは初期治療,維持療法ともに,自覚的症状改善度ならびに内視鏡的改善度でH2RAよりも勝り,費用対効果も優れていることが示されている。
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© 2003 特定非営利活動法人 日本気管食道科学会
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