日本気管食道科学会会報
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症例報告
声門下アミロイドーシスの1例
尾関 明美齊藤 裕子澤島 政行谷垣 裕二佃 守
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2004 年 55 巻 5 号 p. 408-413

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抄録

今回われわれは声門下に発生した喉頭アミロイドーシスを経験したので,文献的考察を加えて報告する。症例は53歳女性。嗄声,呼吸困難を自覚し,当科を受診した。初診時声門下に黄色の表面平滑な腫瘤を認めた。気管切開後,直達喉頭境下腫瘍を生検し,病理組織学的にアミロイドーシスと診断された。全身検索にて他臓器にアミロイドの沈着を認める所見はなく,声門下に限局した喉頭アミロイドーシスと診断した。
本邦で報告された喉頭アミロイドーシスはわれわれが調査し得た限りでは自験例を含め125例であり,その中で声門下に限局した例は15例とやや稀で,声門上,声帯に発生する病変が過半数を示した。喉頭アミロイドーシスの治療法としては,1994年から2003年までの報告をみる限り喉頭微細術(LMS)下にて病変を切除もしくはレーザーで焼灼蒸散する症例が主流になっているようである。今回われわれは3回に亘り声門下病変を切除後,LMS下にアルゴンプラズマ凝固装置にて凝固焼灼した。術後病変は著しく縮小し嗄声は改善され,現在も増大傾向はなく経過観察している。

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