日本気管食道科学会会報
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症例報告
喉頭筋上皮腫の1症例
大橋 正嗣加藤 孝邦太田 史一部坂 弘彦森山 寛
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2006 年 57 巻 6 号 p. 497-501

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抄録

唾液腺腫瘍において筋上皮腫は1%以下と言われており比較的まれな疾患とされている。今回われわれは仮声帯粘膜下より発生した筋上皮腫の1例を経験した。喉頭原発の筋上皮腫症例は海外を含め現在まで報告されておらず極めてまれな例と考えられた。症例は37歳女性。嗄声にて来院,右仮声帯の腫脹を認め生検を施行し筋上皮腫と診断した。本症の治療は原則として腫瘍の切除・摘出とされている。喉頭截開術は一般に声門下狭窄や悪性腫瘍などの疾患に執られる術式であるが,本症例では腫瘍径が大きいため経口的切除は困難と考え喉頭截開下に硬性内視鏡を併用し腫瘍摘出術を行った。術後の音声機能は良好であり,現在22カ月経過しているが再発は認めていない。

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