日本気管食道科学会会報
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特集4 シンポジウム4:Salvage Surgery(食道癌,喉頭・下咽頭癌)
下咽頭癌・頸部食道癌の放射線療法後に対するSalvage Surgeryの検討
梅野 博仁前田 明輝千々和 秀記藤田 博正千年 俊一上田 祥久中島 格
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2010 年 61 巻 2 号 p. 115-121

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抄録

頭頸部癌に対し,頸部に50 Gy以上の放射線療法を行った後に再発または原発巣が出現し,救済手術を施行した下咽頭癌20例・頸部食道癌2例の計22例を検討した。原発巣初治療の内訳は,下咽頭・頸部食道癌 (化学) 放射線療法:8例 (1例は舌進行癌同時重複癌),下咽頭癌CO2レーザー切除術+ (化学) 放射線療法:7例,下咽頭癌咽頭部分切除+ (化学) 放射線療法:3例,喉頭癌放射線療法後の下咽頭癌出現:3例,舌癌放射線療法後の下咽頭癌出現:1例であった。これらに対する救済手術の術式は咽喉食摘+遊離空腸再建:9例 (1例は回腸を使用),咽 (喉) (食) 摘+筋皮弁による食道再建:9例,咽頭部切喉摘後の咽頭一期縫縮:3例,下咽頭癌CO2レーザー切除:1例であった。これらの症例で術後創部の感染が生じた症例は16例 (72.7%),咽頭瘻孔が生じたのは8例 (36.3%) であった。また,3年無病生存率は58.1%であった。

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