2019 年 70 巻 1 号 p. 17-24
2014年11月から2017年10月の3年間で局所進行頭頸部扁平上皮癌の一次治療としてCDDP-RTを施行した15例とCmab-RTを施行した14例について患者背景,入院期間,一次治療効果,治療完遂率,over all survival,有害事象を統計学的に検討した。患者背景での検討ではCmab-RT群は全身状態の悪い症例に適用されることが多く,入院期間も有意に長い傾向にあったが,完遂率,一次治療効果,生存率に有意差を認めなかった。有害事象はGrade3以上の嚥下障害とGrade2以上の放射線性皮膚炎が有意にCmab-RT群で発現頻度が高かった。Cmab-RTはその推奨度から全身状態の悪い症例に選択されることが多いが,十分な支持療法を行うことでCDDP-RT群と同等の治療効果を得ることができると考える。