日本気管食道科学会会報
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症例
咽頭食道腔外へ完全迷入した歯冠異物の1例
藤田 智貴, 豊田 健一郎, 岡野 博之
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2022 年 73 巻 4 号 p. 286-291

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抄録

症例は80代女性,自覚症状はなく画像検査で異物を指摘され当科紹介となった。各種検査により金属製異物が甲状腺右葉付近の咽頭食道腔外へ完全迷入していると考えられた。膿瘍などの炎症所見は認めなかった。内視鏡的に異物を確認することができず,経内視鏡的および経口腔的に摘出不可能であるため,異物摘出には外切開が必要と判断した。頸部超音波検査や3D-CT等で異物局在を詳細に検討後,全身麻酔下に頸部外切開による異物摘出術を施行した。術前検査通り歯冠異物を咽頭腔外に認め,反回神経を損傷せずに摘出しえた。術後は問題なく経過した。咽頭食道腔外に完全に迷入し,炎症所見などを認めない異物では発見まで時間を要する場合がある。摘出には外切開が必要となることが多く,術前の詳細な検討により安全かつ確実に異物の摘出が可能と考える。

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