日本気管食道科学会会報
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症例
IgG4関連疾患が疑われた声門下狭窄症に対して,気管輪切除による形成術を施行した1例
歌方 諒久世 文也山田 達彦
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2024 年 75 巻 1 号 p. 14-20

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抄録

声門下狭窄症の発生機序には不明な点が多く,感染症,外傷や気管内挿管の後遺症として発症する他に,原因を特定できない特発性の症例もみられる。また,根治治療に難渋し長期間の治療を要することが少なくない。今回われわれは,IgG4関連疾患が疑われた声門下狭窄症に対して輪状軟骨切除,第1気管輪輪状切除,輪状軟骨と気管の端々吻合,および気管輪状軟骨皮膚瘻形成術を行い,良好な経過が得られた1例を経験した。声門下狭窄症の治療に際しては,適切に狭窄の病態を診断し,種々の手術法から適切な術式を選択することが重要となる。

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