抄録
ラフ集合は、1982年にZ.Pawlakによって提案された理論である。このラフ集合理論の中で、縮約や決定ルールの考え方が多く応用されている。決定ルールは、対象となる集合からルールによる知識を獲得することができる。また、そのルールを用いて、未知の対象に対して推論を行うことも可能である。本研究では、このラフ集合理論を時系列データの分析に応用している。回帰直線を用いて時系列データから知識を獲得し、予測などに応用する方法を提案している。この方法を用いれば、予測困難な経済時系列データから有用な知識を得ることができると考えられる。また、TOPIXデータに対して本手法を適用し、有効性を示している。