2008 年 10 巻 2 号 p. 117-122
我々は,経路積分法に基づく,新しい量子ニューロ計算法の基礎理論を提案する.決定木や分岐木やアミダクジモデルは,古典的な確率理論に基づくアルゴリズムとして,多くの情報工学の教科書に採用されてきた.我々は,量子ニューロ計算の基礎として,分岐回路網を考え,それを決定木やアミダクジなどの回路の組み合わせとみなして,さらに,量子的な干渉効果を導した.これにより,各自の回路を構成する導線間には,不確定性原理に基づく量子効果が導入される,各種の導線間の粒子の運動は,経路積分によるカーネルを用いて記述される.さらに,AND,OR,NOT回路は,スイッチのオン・オフを演算子と考えることにより,カーネルを用いて伝播関数と相互作用により表現される.