抄録
チーム医療を行うためには,医師,看護師などの医療スタッフは互いの役割を認識し,対等の関係であることが望ましいと考えられる.S大学の臨地実習目標においてもチーム医療の必要性が述べられている.そこで,医学科と看護学科,環境マネジメント学科の学生を対象とて,看護師の役割やイメージに対する認識の実態を統計学的に比較・検討した.その結果,医学生と看護学生が対等の立場であるとお互いが考えていることが分かった.また,医療従事者側である医学科・看護学科と患者の視点により近いと考えられる環マネ間で差がみられた.このことは,チーム医療の一員でありチーム医療の中心である患者と医療従事者側の看護師役割の認識にズレがあると考えられる.また,臨地実習に出た医学科・看護学科の学生は実際の看護業務や看護体制を見て,看護役割に対しての認識が一致していると考えられる.また,患者を受け持つことで信頼関係構築の重要性をより強く認識していることが分かった.