バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌
Online ISSN : 2424-2578
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模擬フィルタを用いた高齢者および色覚障碍者の視認性評価
齋藤 大輔斎藤 恵一納富 一宏斎藤 正男東 吉彦犬井 正男
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ジャーナル オープンアクセス

2009 年 11 巻 2 号 p. 73-78

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抄録
情報技術の進歩により,情報取得方法が多様化した.中でもWeb技術の進歩は目覚ましく,多くの情報がWebサイトを介して提供されている.Webサイトを介した情報提供により,高齢者や障碍者も,社会動向を知ることが容易になり,自立し活動範囲が広がるという効果を生んでいる.高齢者や障碍者が迅速かつ安全に情報を得るためには,情報提供側がWebアクセシビリティを考慮する必要がある.しかし,Webコンテンツ作成において活用できる視認性に関するデータが明確になっていない.そこで本研究では,様々な視覚特性を考慮するために,健常若年者に模擬フィルタを用いて擬似的に高齢者および色覚障碍者の視認性を測定し,視認性と色差の関係を評価した.その結果,色差が大きくなることで視認性が高くなる傾向が示され,今回の実験では色差が42以上の値となる場合に若年者,模擬高齢者および模擬色覚障碍者の全ての群で視認性が高いと判定された.また,視認性が高いと判定された文字色は,RGB値のG値を含まない色であったことから,白色背景においては文字色にG値を含む場合には注意を払う必要があることも示された.
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© 2009 Biomedical Fuzzy Systems Association
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