抄録
近年,失われてしまった天然の歯を補うための治療法として,インプラントという治療法が発達している.インプラントは,人工歯根を直接顎骨に埋め込む手法であるため,外科手術を行うが,顎骨領域には血管,神経などが多数存在しているため,術前にシミュレーションを行う必要がある.しかし,一連のシミュレーションは,その多くを手動で行うため,処理に時間がかかる上,医師への負担も増加する.本稿では,ヘッセ行列の固有値解析を用いて下顎管領域の抽出法を考案する.提案手法を3症例に適用した結果とその有効性について述べる.