2011 年 13 巻 2 号 p. 9-18
我々がこれまでに開発してきたIGAを用いたイメージ探索システムにおいては,ユーザーはターゲットイメージに最もよく似ている1個のサンプルイメージを選択し,その選択したサンプルへ最大の適合度1.0を与え,他のサンプルへは選択されたサンプルとその他のサンプルとのそれぞれの関係に基づいて計算された適合度を割り当てた。しかしながら、ユーザーに1個のサンプルを選択するという簡単な作業のみを求めたにもかかわらず,全てのユーザーがそのインタラクションの方法に満足したわけではなかった。それには幾つかの理由がある。1個のサンプルのみを選択するのがユーザーにとっては難しい場合もある。2,3個のサンプルが同等にターゲットに似ている場合もあるし,殆どのサンプルがターゲットに余り似ていない場合もあるからだ。本論文では,このような状況にも対応できるインタラクション戦略を提案し,その有効性をコンピュータシミュレーションを使って評価した。その結果,有効なインタラクション方法と適合度割当法を見出すことができた。