抄録
近年,種々の異なるモダリティから得られる医用画像を用いた画像融合技術の応用としてフュージョンが提案され,一方のモダリティでは読影が困難な病変部を,他方のモダリティから得られる画像を重ね合わせて表示することにより,診断能の向上や効率化が図られるようになった.フュージョン画像の生成では,画像の位置合わせが重要となるが,その多くがマニュアル操作によるため,医師の負担増加や結果のばらつきが問題となっており,改善が求められている.本稿では,サイバーナイフでの手術における治療計画の作成時に必要となる,頭部のCTとMR画像とのフュージョン画像生成を行うための,画像位置合わせ法について述べる.手法としては,重心による初期位置合わせを行い,輪郭情報を用いた位置合わせを行った後,3次元空間上のVOI(Volume Of Interest)内の相互情報量が最大となる位置関係を単純GAにより求め,実データによる精度,処理時間の検討を行った.