抄録
大規模災害時に活動する医療従事者の多くは、看護職である。災害時の医療支援の一つに、看護職者の被災地派遣がある。本研究では、看護職者への災害救援活動への参加意欲、および救援活動への参加に影響を与える要因の分析を試みた。本研究対象者の88.8%が"『条件次第』で災害救援活動に参加したい"という意欲を示した。その条件としては、自分の技術や能力が「被災地に必要とされている」ことや、職場の上司の「指示や命令」が上位を占めた。また、参加経験者の殆どが『業務命令』で救援活動への参加を行っていることが明らかになった。そして本研究は、看護職者が災害救援活動の参加に必要だと考える被災地の情報や、看護の知識を明らかにしている。救援活動への参加に意欲的な看護職者を、積極的に被災地へ派遣できるような医療システムの構築が求められる。