2021 年 23 巻 1 号 p. 1-8
アクティブドレナージ法の有効性と看護師のドレーン管理技術の向上を目指すことを目的に研究を行った.人工膝関節置換術をうけた患者48 名を対象に,看護師の行うドレーン管理方法で従来群とアクティブ群の2 群に分類した(4 群の比較).「トラネキサム酸の使用の有無」,「ドレーンの留置本数」で属性を合せ出血量で検討した.結果,出血を抑える効果のあるトラネキサム酸の使用の有無に関わらず,アクティブドレナージを行うとドレーンバッグ内の出血量は増加することやドレーン留置本数に関わらずアクティブドレナージを実施すると1 本でも2 本でも出血量が従来群よりも多いことがわかった.アクティブドレナージ法はドレーンの先端に排液を意図的に誘導することが可能であり,陰圧管理している排液バッグに適切に排液されていることが考えられる.肉眼的に出血が多いと確認できれば出血後の予防対策も容易に実施でき,アセスメントも行いやすい.アクティブドレナージにて排液を看護師が管理することは患者のQOL や安全にも大きく影響することが推測できた.