バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌
Online ISSN : 2424-2578
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色差が知覚認知過程へ及ぼす影響
齋藤 大輔
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2021 年 23 巻 2 号 p. 43-51

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抄録
全ての人々が安心してインターネットを使用するためにはアクセシビリティの整備が重要である.我々は先行研究で,輝度コントラストが知覚認知過程に及ぼす影響を検討し,輝度コントラストが低下することで,可読性が低下することを報告した.しかし,可読性には,輝度コントラストだけではなく,色差も影響することが考えられる.そこで本報告では,眼球電位と脳波計測を用いて色差が知覚認知過程に影響を及ぼす影響を検討した.特に,白色背景において同一輝度の有彩色文字を用いた場合の可読性を検討した.その結果,色差および彩度が可読性に影響を及ぼしていることが示された.特に,白色背景において同一輝度の文字色を用いた場合には,比視感度が高い波長の文字色の可読性が高くなることが示された.輝度コントラストが知覚認知過程に及ぼす影響を加味すると,白色背景において可読性が高い文字色の組み合わせは,輝度コントラストが大きく,比視感度が高い波長の文字色であることが示された.
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© 2021 Biomedical Fuzzy Systems Association
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