バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌
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看護師が口腔ケア時に個人用防護具(エプロンやゴーグル)を装着しない理由とは?
秋永 和之 晴佐久 悟内田 荘平
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2024 年 25 巻 2 号 p. 7-16

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抄録

「すべての血液,体液,分泌物(喀痰等),嘔吐物,排泄物,創傷皮膚,粘膜等は感染源として取り扱う」という考え方が感染対策の基本となっているが,口腔ケアを行う際,看護師の個人用防護具(エプロン,ゴーグル)の装着率が低いことが先行研究よりわかった.そこで看護師を対象に,口腔ケア時になぜ個人用防護具を着用しないのかを明らかにすることを目的に研究を行った.結果,口腔ケア実施時,特にエプロン・ゴーグルの装着率が低く,先行研究の結果と一致していた.理由として考えられたことは,口腔ケア時のブラッシングでは,「顔にまで飛んでこないだろう」等の思いや,「感染症の診断がついている患者にはエプロンやゴーグルまで使用する」等,看護師が自己判断して選択して使用している可能性である.また,看護師それぞれの受け取り方や汚染状況など色で判断し,個人防護具を選択していることが考えられた.飛散物やエアロゾルは「無色」・「透明」であり,視覚的に「危険」と察知することができない.そのため,口腔ケア時の飛散等,視覚的な情報でイメージがつくような教育が早急に必要であることが示唆された.

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