抄録
本稿ではID とパスワードを用いた本人認証後にストレスを与えずにバイオメトリクス認証を用いて継続的に本人認証を行い,なりすましの検出を行う手法の検討を行った.なりすましによる不正の発生を防止する手法として,文書作成時の打鍵情報に基づくキーストロークと打鍵音を用いた本人認証手法について検討した.
測定条件に打鍵タイミングを意識させることでキーストロークを変化させ,認証実験を行った.認証実験は,日本語入力の特徴である「変換」「確定」「改行」の3 つの打鍵音を用いて行った.キー入力を用いた認証実験の認証成功率は63%,打鍵音を用いた実験の認証成功率は79%であった.単体の認証方法としては十分と考え,提案手法した2 つの認証モードを補完的に用いることで操作時のなりすまし検出の実現できる可能性が示された.