抄録
医療分野の重要な研究分野に生命活動の基本構成物質である蛋白質の構造決定がある。本論は、構造決定のための基礎的理論研究である。先の論文で,我々はASD法を提案した.ASD法が矛盾なく現実の物理量を与えるためには,繰り込みの可能性を示すことは重要である.本論文でASD法は,非摂動法的に繰り込み可能であることを示した.また,凝集したフォトン場の存在は,クーロン場となり,さらに電子やフォトンに質量シフトを生じさせる.これらの自己エネルギーを質量シフトと見なすことにより,相互作用のある電子場やフォトン場の方程式は,物理的質量を持つ自由粒子の運動(一般化された場の方程式)として記述される.この方程式のグリーン関数を用いれば,分子や物質が一般外場ポテンシャル中に存在する場合の状態を,厳密に書き下すことが可能となる.