抄録
視認性を考慮したWeb閲覧システムの開発を目的として,自動色補正方式について検討を進めている.Webの視認性とは,一般的なインターネットブラウザで表示される文字色と背景色の組み合わせ(カラーセット;Color Set)のうち,各ユーザが「見やすい」,「目が疲れにくい」と判断したものと捉える.視認性を高め,利用者にとって快適な閲覧環境を提供するために,自動的な色補正をシステムが行う場合,色の組み合わせに対する個人の好みや特性を基準データとして与えなければならない.そこで,自己組織化マップ(SOM:Self-Organizing Maps)を用いて,Webカラーセットの一部からまだ存在しない基準データを予測する手法として「カラーセット予測方式」を我々はすでに提案した[1].本稿では,本方式における学習データの組合せ全6種類により可能な予測バリエーションについて検討し,SOM学習において有利なデータセットの組合せを求め,その応用について考察する.