バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌
Online ISSN : 2424-2578
Print ISSN : 1345-1537
ISSN-L : 1345-1537
16S rDNA部分での分類情報損失の研究
中野 正博牧野 健一福田 和正中村 祥子谷口 初美
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2006 年 8 巻 1 号 p. 49-59

詳細
抄録

細菌の16S rRNA遺伝子(16S rDNA)は分類同定に用いられる。その全塩基配列長は約1500bpであるが、その1/3の約550bpが分類同定に有用であるかを検証した。現在、登録されている各菌種の基準株(type strain)3368株の塩基数は約1500bpである。Type Strain(基準株)として登録されている3368種類の長さ約1500bpのDNAを、Primerで、長さ約550bpの塩基配列を切り出す。切り出された遺伝子配列は、元の情報量の1/3しか持っていないが、実験的には、はるかに簡便な操作で、取り出せる。これに基づいた多くの知見は、どれだけ意味があるかをより深く分析するために、情報の質の問題を議論する。その結果、長さ550bpほどに切った情報は、それだけで分類を区別できるほど重要であること、捨てた65%の情報は、影響力の少ないものといえること、さらに、もし科までの分類に使いたい場合は、これで十分良いといえることを示した。

著者関連情報
© 2006 Biomedical Fuzzy Systems Association
前の記事 次の記事
feedback
Top